噛み合わせ(かみ合わせ) 顎の矯正 歯科(矯正歯科・小児歯科) 清水歯科医院

診療所案内
清水院長のみちくさ話

企業減税のための消費税増税

2013.11.12

政府は10月初めに、2014年4月からの消費税率8%への引き上げを閣議決定した。同日に発表された日本銀行の「全国企業短期経済観測調査(短観)」や、9月に発表された2013年4~6月期の「国民経済計算(GDP)速報」などで景気の回復が確認できたため、という。大変大きなごまかしである。

第1に、「短観」で確認できたのは大企業の業況感が良くなっているということで、それも金融部門だけである。輸出の増加など微々たるもので、中小企業の業況感は依然として厳しい。とりわけ、消費税率引き上げの影響を大きく受ける卸・小売業、宿泊・飲食業などばかりか医療業界までもきわめて厳しい現実がある。

第2に、人々の暮らしの状況はほとんど良くなっていない。所得について見ると、8月のサラリーマン世帯の収入は前年比0.2%の増加に止まる(「家計調査」)。雇用について見ると、8月の雇用者数は前年比51万人増、失業者は6万人減で一見良くなっているかに見える。しかし、増えているのは非正規雇用者のみで正規雇用者は減っている(非正規・前年比約100万人増、正規・同50万人減、「労働力調査」)。

加えて、第3に、消費税率の引き上げが実施される2014年4月前後には、景気も、人々の暮らしももっと厳しくなっているであろうということがある。すなわち、景気については、4~6月期の「GDP」などの数字は、公共投資の拡大や、5月まで続いた株高・円安を反映して多分にカサ上げされている、今後はその効果が薄れてくる、ということである。

政府のかけ声とは裏腹に、給与の引き上げは一部大企業のボーナスなどに限られ、非正規に置かれた多くの人には届いていない。その上、暮らしについては、生活保護費の切り下げや、年金給付の引き下げが開始され始めている、ということがある。

こうした状況を前にしての消費税率の引き上げ決定は、どう見ても無理筋というはかないが、その無理筋を通すために、政府はさらに無理筋を重ねようとしている。消費税率引き上げと同時に、5兆円強の企業減税、公共投資拡大の「景気対策」を実施するという政策がそれである。

これでは、消費増税は財政再建にも役立たない(増収分は主として企業に回される)、社会保障の充実にも向かわない(同時に、社会保障制度の改悪が進行中である)ということで、何のための消費税増税か、と問いたくなる。答えは、1%の人々にお金を集めるための、搾取するための消費税増税、ということなのであろうか。