それぞれケースにより、最適な治療の開始時期は多少違ってきますが、成長誘導の立場からは、お子さんが7歳前後の時に顎矯正医あるいは成長誘導に理解のある歯科医による最初の診察を受けるのが適当だと思われます。
7歳以前にも、かかりつけの歯科医あるいはご家族が、歯並びの異常や顔貌のズレ・歪みを疑った場合は、より早く専門医に相談される事をお奨めします。
特に受け口の場合では、4~5歳頃から早期に治療を始めて中顔面(上顎の部分)の発育を促したいところです。
・顔の輪郭の異常や姿勢の歪み
・うつぶせ寝や頬杖などの癖
・3~4歳以降の指しゃぶり
・長時間長期間のおしゃぶり使用
・歯の重なり、込み合い(乱ぐい歯)
・くちびる、口元のゆるみや強い緊張
・受け口(上アゴの成長不足)
・欠損している歯
・窮屈な歯並び
・上前歯の突出(下アゴの成長不足)
・深い噛み込み
・肩の不揃い
・鼻づまり、口呼吸
・丸背、猫背
・靴のかかと片減り
・噛み合わない前歯(開咬)
・日常的な開口、閉鎖不全
・上唇小帯の付着異常
・舌の低位、舌小帯の付着異常、癒着
・アゴズレと頭の傾斜
・これらと頭痛や肩こりの併発 等
この様な様々な噛み合わせに関する問題が、5~7歳頃にはっきり現れてきます。
歯がまっすぐに並んでいますと、歯みがきもきれいにでき、健康な状態に保つことができます。
顎矯正治療によってカラダと調和した正しい噛み合わせと美しい歯並びをつくりだすことは、物をしっかり噛むこと、言葉を明瞭にし話すことを易しくするだけでなく、歯が擦り切れたり、骨と顎に無理な力がかかったりするような負担を軽減させ、カラダの構造バランスを維持するのに重要な役割を果たします。また、歯並びと顔貌の改善は患者さん自身のセルフイメージの向上にもつながります。
カラダの構造バランスについては背筋が伸び、良い姿勢を保てるようになります。これは歯並びだけでは無い、アゴの骨のバランスを整える顎矯正治療ならではの効果です。
歯列矯正を含めて、清水歯科医院の患者さんの約2割は成人です。歯列矯正に年齢制限はありません。
ただ、成人では骨の成長はすでに終わっていますので、顎矯正における誘導治療は骨縫合部の多少の変化と歪みの解放、生体の修復とが主体となります。その上で必要な高さ位置への歯列矯正となります。
場合によっては被せ物を組み合わせた治療となることもあります。これらをご了承いただければ治療は可能です。近代的な矯正治療との組み合わせによる利点をより多くの方が理解されるにつれ、この傾向はこれから広まっていくものとみられています。
見かけが気になる方のために、装置が目立たないようにする工夫もおこなっております。
ですが、歯列矯正装置のリンガルブラケットシステムは、顎矯正において欠点が際立ってしまうために、取り扱っておりません。
歯列・咬合に関する問題の多くはとても複雑です。さらに、顔や顎の成長の片寄りを含め、発育と咬合に関する正しい診断と治療は、やはりその道の専門医に依頼するのが安心でしょう。
狭くとも歯が並んでいればというのではなく、舌や頭蓋、首周囲等との機能バランスをいかに獲得し、本来の成長発育を達成できるようにするには何が必要かを見通す技能が求められるのです。
初診時には、顔と姿勢のあらましの観察、顔の発育状態、頭蓋のバランス、噛み合わせ、歯並び、組織の健康状態、顎関節の機能や隣接する組織の外観を一通り診査をします。
また、患者さんの顔貌・歯並びに関する課題を明らかにし、顎矯正と成長誘導、歯列矯正治療の概略をご説明します。聞いておきたいことがありましたら、あらかじめメモにしておくと良いでしょう。
その上で治療が必要とされる場合には、矯正のための検査の予約をお取りします。
歯列矯正用の資料はいくつかのエックス線撮影、歯と顔の写真撮影と歯型の採取を含みます。
顎矯正では、頭蓋やカラダへの影響を見るために規格化した姿勢写真もあわせて撮ります。清水歯科医院ではセファロX線写真も側面だけでなく、正面も撮影しています。それらをコンピューターによる分析を含め総合的に検討した後、患者さんひとりひとりのニーズに合わせた、適切な治療計画を立てていきます。
資料の分析が完了した後、治療計画の説明のためにお時間をいただき、治療方針と支払い方法について、ご本人あるいは保護者の方との話し合いの上で決めていきます。
顎矯正の治療は、顎の発育を促して歯並びのみならず頭蓋やカラダのバランスを改善し、心身の健康促進の効果があります。
その分チェックする部分や調整も多くなり、従来の歯列矯正よりも費用はかさむと思います。
ですが、長い目で見た場合、歯科治療や医療の必要性が少なくなり、医療費の削減につながります。 長い年月、健康な噛み合わせや美しい歯並びを維持できるようになる事を考えれば、その費用はかなり控えめだといえます。
指しゃぶりが原因の歯並びの不正は、一般的に、「歯の傾きによるずれ」と「顎の位置のずれ」が考えられます。このズレは横方向にも、縦方向にも起こります。
これらは指しゃぶりを止めるだけで自然になおることもありますが、あまりに長期間指しゃぶりを続けていると、顎の発育におけるずれが生じてきたり、歯の傾きが非常に大きくなりすぎて自然治癒が困難になることもあります。
ここで一番注意しなければならないことですが、無理に指しゃぶりを止めさせようとすると、子供さんにフラストレーションが生じるということです。無理をせずにだんだんと、それも止めさせるのでなく、卒業するんだともっていくことが肝心です。
3歳児で指しゃぶりを完全に止めさせることは正直なところ困難です。お口を閉じて自分の歯をかみ合わせていたらほめてあげましょう。鼻呼吸をすすめて、ほめてあげてやる気を育てましょう。4歳児くらいには「お兄ちゃんお姉ちゃんになって卒業するんだねー」という感じで接するくらいの気持ちも必要でしょう。
噛み合わせ相談のご予約、さらに顎矯正治療で新たな明日を手に入れるために、ぜひお電話ください。
TEL 048-582-2525