小児歯科・顎顔面育成矯正
「矯正はした方が良いのですか?」
「治療は永久歯が全部でてから始めるの?」
歯並びやかみ合わせの異常という、子どもの不正咬合(こうごう)が増えています。
子どもの歯の異常について、歯並びは気になる大事な点ではありますが、見た目だけでなく、上下の歯がどうかみ合うか・どのように使っているかという事が、実は子どもの成長に大きくかかわっています。
矯正治療もその中身は千差万別。『とにかく歯並びがよくなれば』という歯列の部分だけを見たものや、『お口の機能トレーニングで整えます』というものもあります。
もしあなたがメリハリのある顔ぼうを育てようと、『あごの骨の発育のズレを整えて、よりよい成長を』望むのでしたら、早い段階から担当医と相談され、治療医の紹介を受けて下さい。そして、早めに成長期の間に不正状態の改善を図る必要があります。
全身の健康に影響も
歯並びが悪くなると、磨きにくいので虫歯や歯周病になりやすかったり、発音がしにくいことがあります。食べ物をよくかみ砕けず、胃腸に負担をかけることにもなります。一般的に見た目を気にして来院する人が多いですが、通常歯科医は、前歯とともに奥歯のかみ合わせを重視します。あごを支え、左右の奥歯で無理なく、しっかり噛(か)めるようになっていない場合、あごが滑らかに動かず、顎(がく)関節症の誘因となったりします。また、あごのズレやゆがみは顔のバランスを変え、首や肩のこり、頭痛、腰痛につながるなど、全身の健康に影響します。
昨今、子ども達の身体の異常がいろいろ言われるようになってきています。歯科でもHPで姿勢の改善を謳うクリニックが増えてきています。
お口との関連でいえば、かみ癖や頭の傾き、身体の捻れ等、全身との関連は多くのチェックポイントがありますが、一般的には普段のズレた姿に目が慣れてしまうため、なかなか気づかないものでもあります
さらには、この方面に研鑽を積んだ歯科医はまだそれほど多くありませんので、そのような歯科医に近くで出会えない事が多いと思われます。研鑽を重ねた歯科医を探す必要がありますが、一方でお子さんの歪みをひどくしないよう、日頃の立居振舞から注意したいものです。
親が気をつけて
かみ合わせが悪くても、本人の自覚はないことが多いです。また、虫歯の治療が優先され、歯並びとかみ合わせのチェックが後回しにされたり、専門医への紹介がされずに発見が遅れる場合もあります。
また、あごのズレに気づかず、単に「うちの子は食べるのが遅い」「硬いものを嫌がる」「物をうまく飲み込めない」などと訴えるケースもよくみられます。「しっかり噛めずに食事するのは、切れない包丁で調理しているようなもの」です。片がみになったり背中を丸めたりして身体のゆがみがひどくなっていきます。ここは健康のために、『どうしてその姿勢をするようになったのか?』を考え、気を付けてあげてほしいと思います。
矯正治療の時期は?
永久歯が生え始める6歳前後になると、歯並びのよしあしが気になり出します。ですが、発育の不正はすでに3歳ごろには始まっています。矯正時期は、症状(つまり何を気にするか)によって異なりますが、
基本的には、
[1] 2~3本のズレや捻れなど歯だけの問題(顔ぼうの問題が少ない)
[2] のっぺらな頬、長い顔、受け口など骨格に関係するもの(顔ぼうの問題が大きい)
[3] 慢性の鼻づまりやアデノイド・イビキ等がある(呼吸に関わる課題)
[4] 猫背など身体的課題を伴う場合(全体的なバランス治療適応)
で大体決まるといえます。
対策法
[1] の対策
歯の生え変わりを利用する7~8歳ごろに始めますと、顔ぼうと歯並びをうまく整えられる事が多いです。
しかし、永久歯が生えそろった後でも遅くありません。歯列矯正専門医は永久歯になってからの治療を勧める傾向にあります。
[2] の対策
早めに4~5歳くらいまでに治療を始めるのが望ましいです。成長が止まってからですと、外科手術が必要になる場合もあるからです
[3] の対策
呼吸器科や耳鼻科との連携が望ましいのですが、気がついたなら出来るだけ早い時期からの成長誘導、顎矯正治療が有効となります。
[4] の対策
まだ、対応できる歯科医がそれほど多くありません。7~8歳ごろまでには始めたいものです。小さなお子さんにはまだ自覚がありませんので、注意するだけでは改善が難しいのです。 できれば、日常生活の見直しもしましょう。(不定愁訴を抱える大人の方にはBBO療法をオススメします。顎顔面育成矯正とBBO療法の併用もあります。)
実際、矯正相談にはいつ頃行けばいいの?
上記のように治療に良い時期はあります。ですが、お顔や歯並び、身体の状態に何か気になる課題を感じておられる場合は、ひとまず相談に来院されることをお勧めいたします。
『小さい頃はかわいい顔をしていたのに……』と言われる親御さんが時々おられます。子どもたちは日々成長変化しています。目が慣れてしまって、『何となく』で気づかないのです。 つまり、気づいたというのは、お顔や歯並びの症状が進んで目立つようになったということになります。
唇や舌の誤った使い方が癖になっている場合や、カラダのおかしな使い方を身につけてしまった等の例も比較的良く見られます。
これらの癖は「注意しなさい。やめなさい。」だけでは治りません。
お顔や歯並びの改善と、身体の良い使い方を身につける第一歩としても、相談に来院されることをお勧めいたします。
矯正治療を検討される参考としまして、治療効果とリスクのページも合わせてご覧下さい。
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