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心身一如・身土不二

食養生

代謝のゆがみを正す栄養のとり方が重要

現在、先端として取り組まれている新栄養療法では、食事療法にくわえ、ビタミン・ミネラルなど微量栄養素の積極的な摂取がすすめられます。

これは糖尿病(日本人においては、糖尿病患者の95%を占めるインスリン非依存型糖尿病)を始めとする慢性病の本質を、細胞内の栄養代謝異常ととらえて、それを正常化することで病気を治療したり体質改善を図ろう、というものです。

細胞内の栄養代謝とは、すなわち糖代謝、脂質代謝、タンパクアミノ酸代謝などを意味します。それらのゆがみを正すには、食生活で圧倒的に不足していた、天然の高単位栄養素の補給が不可欠というわけです。

新栄養療法における食事療法でめざすのは、カロリー摂取の60~70%を複合炭水化物として、脂肪は20%以下に抑え、砂糖の摂取量を控えるということです。
簡単にいうと、穀類を多く摂り油脂類は控え、砂糖は極力避けるというものです。
地元産のその季節の野菜を使い、精白しない皮をむかないという一物全体食を心がけます。 ですから、料理に砂糖を使う、砂糖で甘い味付けにするなど論外ということです。その食材の持つ元々の甘みをうまく引き出しましょう。

さらにビタミン、ミネラルも大切で、微量栄養素やハーブも症状に応じて投与されます。こうした新栄養療法はすでに実績を上げており、血糖値の低下はもちろん、血管・神経障害の改善が多数報告されているのです。 野菜、キノコ、海藻、貝類など、日本人に古来なじみのある食材は、ビタミン・ミネラル補給にすぐれています。慢性病を改善させるためにも和食のもつ栄養価値をもう一度見直しましょう。

日本式食事を進めるには、まず自分の食生活がどのように偏向しているかを知ること。そのうえで、雑穀類を主食として、野菜、海藻類、貝類など日本古来の食材で、足りない栄養素を補います。ただし、甘い菓子類などは基本的に控えることになります。

いわゆる三白食は精製されているため、身体に必要なビタミンやミネラルが失われています。むしろ、身体のビタミンミネラルを消費してしまうとも言えます。摂らないに越したことはありません。

口中調味による判定

食事の細かい点での指導にあたり、患者さんのタイプを見極めるには、一例として「口中調味」(こうちゅうちょうみ)の判定も基準となります。簡単にいうと、口の中で穀物の微妙な風味が感じられるかどうか、ということ。日頃、油っこい食事ばかりとっている人は、こうした素材本来の味がわかりにくくなっています。口中調味がしっかりある人なら、摂取エネルギーの管理はまず必要ないでしょう。

ちなみに、微量栄養素を逃さない調理のポイントとして、油の特徴を効果的に利用することがすすめられます。熱を加えすぎると、食材の栄養価は落ちる傾向にあるのですが、油で炒めることで、微量栄養素はもちろん、風味が素材に包み込まれます。 油の種類としては、品質の高いゴマ油やシソ油がすすめられ、便通の改善も期待できるでしょう。

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